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マップについての考察
ザナドゥのマップは横にループしているのだが、左右の端で縦の座標が1つずれる
フィールドでは言われないと気付かないレベルだが、ダンジョンでは影響が大きくマッピングを困難にしている
シナリオ1のダンジョンは横4×縦16のマップに収まっているので、通常なら横方向は4部屋をループするだけだが、
この座標がずれるシステムだと延々と横に進むダンジョンも作ることができる
このシステムの詳細は専門的な話になるのだが、マップを1次元配列(x座標のみ)で管理しているからとのこと
そうすると2次元配列(x座標とy座標)より、プログラムが組み易いとか動作が軽いとかのメリットがあるらしい
まぁよく分からないが当時のコンピューターの制約を利用して、より迷宮らしさを出すことに成功したのであろう
Xa
内部的にはこのように番号が振られているようで、4の画面から右に行くと5の画面の左に出る
1の画面から2→3→7→8→4→5と進み、そこから上に行くと右に進んでいたはずなのに1に戻ってしまうのだから
プレイヤーはワープでもしたのかと錯覚し混乱したことだろう

我々凡人はマップを製作するときに敵配置やアイテム配置に意味を求め過ぎてしまいがち
なのでダンジョンの奥深くや強い敵を倒した先に、どうしても良いアイテムを置きたくなってしまう
それは苦労に見合った報酬ということで妥当ではあるのだが、ある程度予想がついてしまうというのが欠点にもなる
むしろザナドゥのように沢山鍵を消費してダンジョンを回ったのに大したアイテムは落ちていなかったとか、
入り口から数画面進んだだけの部屋に無造作に転がっていた装備が予想外に強力なものだったとか、
そういう意外性もあったほうが、実はダンジョン探索においてはドキドキワクワク感が持続するというのは目から鱗の発見であった
さらにザナドゥの場合、マップさえ把握していれば高レベルには店売りよりも遥かに強力な装備が落ちている
知らなければ結局手に入れるのは終盤になるのだが、実はいつでも手の届くところに存在しているというのはロマンを感じる

最も印象に残っているアイテムがMantleで、シナリオ1において非常に重要かつ希少な消費アイテムであり、最初のダンジョンで4個、最終マップで2個入手できるのみである
この極端な配置数の偏りから製作者の意図を推測するのが楽しいのだが、まず最初のダンジョンで4個手に入るのは、
「これを使ってダンジョンの構造を把握しなさい」「地形で身動きが取れなくなった場合に脱出するのに使いなさい」ということなのだろう
なので序盤で雑に使ってしまったプレイヤーもいるかもしれない、しかしゲーム中盤あたりでMantleが全く入手できないことに気付く
これが製作者の仕掛けた罠で、Mantleは後半ほど有用なので簡単に手に入ったからといって序盤で無駄遣いするほど後半で後悔することになる
そして最終マップで2個入手できるのは、そこまでにMantleを使い切ってしまっていたとしても最強の盾である+7LargeShieldを入手できるようにという配慮だろう
途中でMantleが何個か入手できてもいいのでは?と思ってしまうのは凡人の甘い考えであり、
悪魔的な思考をする製作者としては、プレイヤーに存在しないMantleを求めてダンジョンを徘徊させたかったということに違いない

シナリオ2には2つの鬼畜地形が新しく追加されている
強制的に下り坂を進ませられる『滑り台』と、アイテムの所持数が多いほど大きなダメージを食らうダメージ床『逆さツララ』である
それらはゲーム序盤からふんだんに使用されており、中には滑り落ちた先が剣山になっているという凶悪なコンボも存在する
Xa
フィールドは複雑になり2段ジャンプのテクニックの重要性が増しているし、
レベル移動の自由度が上がったため次に進むべきエリアの判断がし辛く、急に敵の強いエリアに迷い込んでしまうこともある
ダンジョンはクリアに必須のアイテムが入り口の無い小部屋に隠されているので、地道にマッピングをしてAcidを使う場所を探さなければならないのだが、
そもそもダンジョンが横8×縦8の形に収まるということに気付かなければマッピングすることすら不可能である
戦闘とリソース管理を重視したシナリオ1と比べるとシナリオ2は迷宮探索ゲームとしての面白さと難しさを極限まで追求した作品といえるだろう
Xa
ところで建物の中の迷宮は私はダンジョンと呼んでしまっていたが、正式には塔とかタワーと呼ぶらしい
平面にしか見えない自分は想像力が足りないのだろうか

このゲーム、攻略本まで鬼畜である
ザナドゥデータブック1というシナリオ1用の攻略本があるのだが、こちらには敵の詳細データに加え
全てのフィールド・ダンジョンのマップが掲載されており、さらに実際のゲームの進め方まで手取り足取り教えてくれるという大満足な内容だ
なのでザナドゥデータブック2というシナリオ2のための本にも同じような内容を期待してしまうのは当然だろう
しかしこちらは300ページ近くもあるのに、どこを探しても肝心のダンジョンマップが掲載されていないのだ
ザナドゥ見聞録というザナドゥの世界を深く知ることのできるコンテンツはあるが、ゲームの進め方に関する情報は少なく多くの部分はプレイに直接役立つものではなかった
結局シナリオ2をクリアできずに藁にもすがる思いでザナドゥデータブック2を取り寄せたプレイヤーは絶望したことだろう
そもそもデータブックであり攻略本とは言っていないこと、その上で1には丁寧なクリア方法を載せたこと、
これはデータブック2があればシナリオ2をクリアできると思いこませ、プレイヤーを陥れるために張り巡らせた巧妙な罠だったのではないか
さらにそんなプレイヤーの神経を逆なでするかように、巻末には殆どの人は興味がない楽譜が何ページにも渡って掲載されている
その意図は推測するしかないのだが、当時ファルコムはゲーム雑誌の攻略情報すら快く思っていなかった節があるので、
そのことを考えると攻略本を片手に楽してクリアしようとする層への憎悪が、あの楽譜には込められているように感じる
Xa

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